解説

情報の確かめ方 ― 4つの問い

気になる情報に出会ったとき、順番に問うだけでたいていのことをふるいにかけられる4つの問い。専門知識は要りません。

公開

タイムラインに流れてきた一枚の画像。知り合いが転送してきたメッセージ。テレビで見た「ある調査によると」という言葉。

こうしたものに出会ったとき、わたしたちは「本当かどうか」をすぐには判断できません。けれど、判断を保留したまま確かめる手順なら、誰でも使えます。

ここでは4つの問いを紹介します。順番に問うだけです。

1. 誰が言っているか

まず、発信者をたどります。

アカウント名ではなく、その人や組織が何者かを見ます。プロフィール欄の肩書きは自称かもしれません。所属している組織のサイトが実在するか、過去にどんな発信をしてきたか。1分あれば、だいたいの輪郭はつかめます。

名前が出ていない情報は、それだけで疑わしいわけではありません。ただ、名前が出ていない情報について「誰が責任を持つのか」は、確かめようがないという事実は残ります。

2. いつの話か

次に、日付を見ます。

何年も前の出来事が、いま起きたこととして回っていることは本当によくあります。災害時の写真、事故の映像、政治家の発言。どれも、文脈から切り離されて日付を失った瞬間に、まったく別の意味を持ちはじめます。

嘘をつく意図がなくても起きます。善意で転送した人が、日付を確かめていなかっただけ、ということのほうが多いくらいです。

3. 元はどこか

「◯◯によると」の ◯◯まで戻ります。

新聞記事が引用している調査、SNSの投稿が引用している記事、その記事が引用している発表資料。一段ずつさかのぼると、途中で意味が変わっていることがあります。

よくあるのは、元の資料には書かれている条件が、引用の過程で落ちるケースです。「特定の年齢層に限れば」「調査対象は都市部のみ」といった但し書きが消えると、同じ数字がまったく違う主張に見えます。

元にたどり着けない場合は、そこで止めておくのが安全です。

4. ほかも言っているか

最後に、別の、つながりのない情報源が同じことを言っているかを見ます。

ここで注意が必要なのは、同じ元ネタの引き写しは、何件あっても1件だということです。10のサイトが同じことを書いていても、すべてが同一の発表を引用しているなら、確認されたのは1回だけです。

独立しているかどうかは、3つめの問いで元をたどっていれば自然に見えてきます。


全部やらなくていい

4つ並べましたが、ひとつ問うだけでも、だいぶ違います。

日付を見るだけ、発信者をたどるだけ。それだけで、転送しようとした手が止まることがあります。確かめる技術より、確かめようとする一拍のほうが、たぶん効果が大きい。

この4つの問いは、印刷して使える1枚もののPDFと、授業でそのまま使えるスライド・ワークシートとして準備しています。クリエイティブ・コモンズで公開するので、出典を示していただければ、改変も再配布も自由です。

出典

  1. 日本ファクトチェックセンター https://www.factcheckcenter.jp/
  2. ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ) https://fij.info/

確かめ方基礎

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